JCA(日本コミュニケーション学会)会員の皆さま
関西支部からのお知らせです。
関西支部では、以下の要領で2024年度関西支部春季研究会を開催いたします。対面での開催(懇親会もあり!)となりますので、関西支部会員の皆さま、および関西支部以外の皆さま(非会員を含む)も是非ご参加ください。
==========
【日時】 3月22日(土曜日) 午前15:00~17:00
【場所】 関西大学梅田キャンパス 704教室
==========
【プログラム】
15:00-16:00 講演
16:10-17:00 講演内容を踏まえての質疑応答・ディスカッション
17:20頃~ 懇親会(会場未定ですが会場の近くの梅田駅周辺にて)
【講演者】北條 暁子先生(京都女子大学非常勤講師)
【講演】 中古・中世日本における皇子女誕生と情報伝達――速報・誤解――
平安時代、鎌倉時代において、皇子女の誕生は政局を揺るがすイベントであった。皇子の誕生いかんには、多くの家の浮沈がかかっていた。しかるに、「いつ」「(皇子か皇女の)どちらが」誕生したかという、最も基本的な情報について、誤って伝わった歴史的事実や、推測したという文学上の描写が散見される。なぜ、こうした一大事に関わる情報について、誤りや推測が見られるのであろうか。現存する日本最古の医書『医心方』の引用する、逸書『産経』の記述を掘り起こし、中古・中世日本に共通して確認できる御産(貴人の出産)事情を確認したい。
嘉例、つまりめでたい先例を貴ぶ当時にあって、鎌倉時代の御産は、平安時代の御産を多くの点で踏襲している。しかし、平安時代には見られず、鎌倉時代になって実施されるようになった、「甑(こしき)を落とす」という呪(まじな)いがある。『徒然草』が61段に取り上げて考証するこの呪いは、なぜ行われるようになったのだろうか。情報伝達の側面から考察してみたい。辞書における説明にも幅の見られるこの呪いを、情報という観点から再定義することは、中世文学の読解に何をもたらすだろうか。『平家物語』『とはずがたり』における「甑落とし」描写の必然性を浮き彫りにするのではなかろうか。後鳥羽天皇の中宮であった藤原(九条)任子(のちの宜秋門院)の御産にも触れつつ、検討する。
以上、出産、誕生という、不確実性を多分に含む出来事に対して、何百年前の日本人がどのように対処しようとし、その情報を扱ってきたのか、考えてみたい。
なお、時間が許せば、『紫式部日記』の敦成親王誕生(中宮彰子による出産)描写の再評価と、新たな評価が提起し得る問題(ジェンダーとコミュニケーション)とについても言及する可能性がある。
==========
【大会参加申し込み方法】
参加申し込みは以下のフォームよりお願いたします。
https://forms.gle/2pGj4yw2kuqKmRSn6
(1) 大会参加・懇親会申し込みは、できる限り大会2日前(3月20(木))までにお願い
いたします。(前日、当日の申し込みも可能です)。
=========
その他、不明な点がございましたら、日高(k-hidaka@wa2.so-net.ne.jp)までご連絡くださ
い。
日本コミュニケーション学会
関西支部 支部長
日高 勝之