日本コミュニケーション学会 第54回年次大会 参加レポート
2025.07.04明治大学大学大学院
情報コミュニケーション研究科博士課程3年
小川 凜
2025年6月7日(土)・8日(日)にかけて、広島修道大学にて日本コミュニケーション学会第54回年次大会が開催されました。今年は戦後80年の節目にあたり、「忘却に抗うコミュニケーション」というテーマのもと、被爆地・広島での開催となりました。大学院生としての立場から、大会の様子を報告いたします。
本学会に参加して強く感じたのは、コミュニケーション研究のもつ多様性と、それによる専門性の交錯の難しさです。同じ「コミュニケーション」という言葉を用いても理論的背景や研究対象は大きく異なり、共通基盤が明確に見えにくいという特徴があります。一方で、この多様性こそが、異なる視点と出会い、新たな刺激や発見を得る場として本学会を豊かにしていることも実感しました。
たとえば、私自身が発表した政治コミュニケーションのセッションでは、類似の研究に取り組む方々との意見交換から多くの刺激を受け、自身の研究へのフィードバックも得ることができました。また、関東支部会の「ヘイトスピーチと現代の公的コミュニケーションの諸問題」と題されたセッションでは、自分の研究テーマの一つである陰謀論との接点を見出し、両者の共通点と相違点について新たな視点を得ることができました。
こうした多様な研究者が集う環境では、自分の専門をどう他者に伝えるかが問われ、学際的な対話力が試されます。共通の土台が曖昧だからこそ、研究者同士が積極的に理解を求め合う姿勢に、本学会の意義があると感じました。また、日本コミュニケーション学会は、大学院生と研究者との距離が近く、非常にアットホームな雰囲気に包まれています。今回が2度目の参加でしたが、多くの先生方と自由に意見を交わすことができ、懇親会でも親身なご助言を賜りました。この場を借りて、心より感謝申し上げます。
本報告が、本学会の雰囲気や意義を伝える一助となれば幸いです。今後とも、多様な視点が交差し合う開かれた学術の場として、さらなる発展を願っております。
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